
データベースという言葉は私たちの日常にもよく出てくる用語です。
でも、その意味を理解している人は数少ないと言えるでしょう。
この記事ではデータベースとは何か?という解説からレンタルサーバーにおけるデータベースの役割や仕組み、そして種類について解説します。
初心者には少し難しい解説になりますが、データベースが何かを知っている事によってWebサイトを構築していく上で色々と役に立つこともあります。
ぜひ、最後まで読んでデータベースに関する知識を深めてください。
Contents
データベースの意味をざっくりと理解しよう
データベースは簡単に言うと、データの集合体のことです。
データベースは、膨大なデータを複数のアプリケーションやユーザーが同時に利用できるように整理分別されて大きなボックスに格納されていると考えてください。
データベースは外部からの要求に従って、必要なデータを簡単に検索したり、抽出したり、書き込みが出来るようにしています。
この説明だけではピンとこないと思うので、少し例を出して解説します。
例えば、あなたはアマゾンでAという書籍を購入したとします。
アマゾンの会員なら最初に氏名、住所、電話番号等を記載します。
一度顧客の個人データを記載すると、何かの商品を購入する度に購入履歴が記録されます。
販売者側は、膨大な顧客データの中から特定の人のデータを抽出したり、検索することが可能になります。
また、特定の商品を一定の地域の人だけにセールスする場合は、地区を指定して顧客データを並び替える事によって、必要な人だけにセールス情報を流すことができます。
こうして整理されたデータをデータベースと呼びます。
データベースの大きな特徴は複数の人が同時にアクセスして編集したり書き込んだりできることです。
私たちが普段使っているパソコンのファイル等は基本的には一人しか使う事が出来ません。
複数で使うようにするには、特定のソフトウエア等をインストールしないといけない仕様になっています。
レンタルサーバーにおけるデータベースの役割
データベースについてざっくりと理解できたところで、次はレンタルサーバーにおけるデータベースの役割について解説します。
前述したアマゾンなどの巨大企業では Oracleなどのデータベースを利用しています。
一方で、私たち個人が使うデータベースはMySQLや PostgreSQLと言う無料のデータベースを使う事がほとんどです。
ワードプレスなどのCMSで使うデータベースも、このMySQLや PostgreSQLです。
共用サーバーには、利用者がすぐに使えるようにあらかじめ、この MySQLや PostgreSQLがインストールされています。
ですから、最小限の設定さえ行えば、すぐに使えるようになるのです。
この設定も簡単なもので、MySQLなどのデータベースにこれから構築していくデータを格納するための土台を作ります。
CMSとデータベースの仕組み
ワードプレスなどのCMS(コンテンツマネージャーシステム)がデータベースを利用しているのは前述した通りです。
では、次にそのCMSがどのように、データベースを利用してWebサイトを表示させているか、その仕組みを分かりやすく解説します。
ここでは WordPressと、そのデータベースであるMySQLを例にとります。
Webサイト訪問者
↓ ↑
Webサーバー(Apache、INGEX、Litespeedなど)
↓ ↑
WordPress←→テーマ・CSSなど
↓ ↑
データベースソフトウェア(MySQL)
↓ ↑
データベース(データの集合)
上記のように、Webサイトに訪問するWebサーバーが WordPressにデータを要求します。
そして、WordPressはデータベースソフトウェアに該当するデータを要求し、さらにデータベースソフトウェアがデータベースから必要なデータを検索して、抽出します。
データベースから必要なデータを取り出せたら、データベースソフトウェアは WordPressにデータを返します。
また、WordPressは同時に CSSを含めたテーマのデータを別途読み込んで、データベースのデータとミックスして Webサイトを構成し、Webサーバーにデータを返します。
そして最後に、Webサーバーが閲覧者に Webサイトのデータを渡すことにより、Webサイトを表示することができます。
上記は WordPressの例ですが、WordPressは上記のように閲覧者からのリクエストごとに Webサイトのデータを構築してデータを渡します。
この仕組みは「動的」と呼ばれています。
リアルタイムで処理を行うことになるので、HTMLサイトよりも表示に時間がかかります。
また、サーバーにも多くの負荷がかかります。
逆に Movable Typeなどの CMSの場合は、記事を更新する度に CMS自体が Webサイトのデータを作成してしまい、HTMLファイルとして格納しておきます。
閲覧者からリクエストがあった場合は、Webサーバーが単にその HTMLファイルを送り出すだけで終了します。
この仕組みは「静的」と呼ばれ、「動的」よりもサーバーの負荷は低いのです。
なお、アフィリエイターなら誰でも知っている「Sirius(シリウス)」などのホームページ作成ソフトも、データベースが利用されています。
ただ、この Siriusの場合は、データベースやデータベースを管理するソフトウェアそのものはユーザーのパソコンの中で動作しています。
そして、構築された HTMLファイルだけをサーバーにアップロードするため、サーバー内のデータベースには一切触れることはありません。
この方式が、サーバーへの負担が最も軽いと言えます。
レンタルサーバーのデータベース設定可能数とは何?
レンタルサーバーでデータベースを利用する場合、データベースの設置可能数というものがあらかじめ決められています。
例えば、あるレンタルサーバーで「MySQL 10個まで」等と書かれていれば、MySQLを使える数が 10個までということになります。
最近のレンタルサーバーは、データベース数が無制限というところも増えていますが、設定できる独自ドメイン数に上限がある場合は、実質のデータベース数も制限されていることになります。
データベースの種類について
レンタルサーバーでは多くの会社が「Mysql」や「Miria」といったデータベースを採用しています。
どちらもオープンソースで開発されているデータベースなので無料で活用することができます。
もっとも導入されているデータベースは「Oracle」になりますが、これは企業用に作られた有償のデータベースになりますので、レンタルサーバーで採用されていることはまずありません。
ここで、代表的なデータベースを紹介しておきます。
データベース名 | 解説 |
Oracle Database | リレーショナル型の有償のデータベース。国内では圧倒的なシェアを誇る |
Microsoft Access | Microsoft Accessは、Microsoft Officeパッケージに含まれているデータベースアプリケーションです。 プログラミングができない人でも、簡単なデータベースシステムを作ることができるが特徴です。 |
Microsoft SQL Server |
業務システムで使われるデータベースとしては、Oracleに次ぐシェアを占めています。 Microsoft社製のシステム管理ツールを導入する際にも必要なデータベースです。 |
Mysql | ワードプレスで使うデータベースになります。 オープンソースなので基本的には無償ですが、商用利用する際は有償になります。 |
Sqlite | SQLiteはソフトウェアに組み込んで使う種類のデータベースです。
容量がコンパクトなので、携帯端末で動作するソフトウェアに適しています。 |
レンタルサーバー選びにおけるデータベースの注意点
ワードプレスを一つ作成する為には、データベースが一つ必要です。
もし、あなたがワードプレスブログを10個作りたいと思うなら、データベースの数も10個必要になります。
ですから、レンタルサーバーを選ぶ際には、それぞれのレンタルサーバーのプランでどれくらいのデータベースの上限があるかを確認しておく必要があります。
よく勘違いするのが、マルチドメイン数が無制限の場合、ワードプレスも無制限だと勘違いするケースです
もし、上記の場合データベースの数が10個までであれば、ワードプレスは10個しか作る事が出来ないということです。
レンタルサーバーを選ぶ際に、注意が必要なのが、この「マルチドメイン」の数になります。
マルチドメインはドメインを登録できる数のことを意味します。
例えば、マルチドメインが50個、データベースの数が10個のプランの場合はワードプレスは10個しか作れないということです。
残りの40個のドメインはHTMLサイトしか作ることが出来ないということです。
例えば、初心者に人気のあるロリポップを例に挙げて解説します。
ロリポップの最安プランである「エコノミープラン」ではワードプレスは作る事は出来ません。
一つ上のプランであるライトプランでは、独自ドメインは上限が100個です。
ただし、データベースであるMysqlは一つしか割り当てられていません。
もうお分かりですね。
独自ドメインは100個あっても、ワードプレスは一つしか作る事は出来ないということです。
月額100円や300円プランでは使えるデータベースの数が極端に少ない場合があります。
ワードプレスをたくさん作りたい場合、月額が500円未満のプランについてはデータベース数が
いくつになっているのか確認しておきましょう。
主なレンタルサーバー会社のデータベース数を比較
レンタルサーバー会社名 | データベース数 | 月額 |
Xサーバー | 無制限 | 900円 |
mixhost | 無制限 | 880円 |
コアサーバー | 無制限 | 397円 |
conohaWing | 無制限 | 400円 |
カラフルボックス | 無制限 | 480円 |
さくらインターネット | 50個 | 524円 |
ヘテムル | 70個 | 800円 |
ロリポップ | 1個 | 250円 |
バリューサーバー | 無制限 | 334円 |
スターサーバー | 30個 | 400円 |
※各レンタルサーバー会社のスタンダードプランで公平に比較しています。
結局データベースはいくつあればいい?
今年2020年、多くのレンタルサーバーではマルチドメインとデータベースが数多く使えるようになっています。
月額1000円程度支払えば、マルチドメイン無制限、データベース無制限というプランはたくさん見つける事ができます。
数年前までは、サテライトサイトをたくさん作成して、そこからメインサイトにリンクを送ることによって上位表示を狙う手法が流行っていました。
私も多い時には一つのレンタルサーバーで300以上のドメインを置いてHtmlサイトとワードプレスブログを作っていた時期がありました。
しかし、労力の割には報酬が上がらず、リンクの管理が大変だったこともありその手法からは撤退しました。
今は、ドメインもほとんど更新しなくて、数個で運営しています。
これは人によって色々な考え方がありますが、多くても10個ほどのデータベースがあれば
十分だと考えています。
まとめ~レンタルサーバーのデータベースの種類と役割について
この記事では以下のことについて解説しました。
〇データベースとは何か
〇レンタルサーバーにおけるデータベースの役割
〇CMSとデータベースの仕組み
〇レンタルサーバーのデータベース設定可能数と要領について
〇データベースの種類について
〇レンタルサーバー選びにおけるデータベースの注意点
〇主なレンタルサーバー会社のデータベース数を比較
〇結局データベースはいくつあればいい
記事を最後まで読んでいただいたことによって、データベースの概要が理解できたはずです。
→ MySQL無制限のXサーバーの詳細はこちらをご覧ください。